元外国籍でゴルフクラブ入会拒否、違法性認めず 判決「疑問もある」

 元外国籍を理由にゴルフクラブへの入会を拒むのは法的に許されるのか。この点が争われた訴訟の判決で津地裁四日市支部(升川智道裁判長)は19日、「違法性は認められない」との判断を示し、原告の請求を棄却した。ただ、こうした入会制限について「合理的な理由があるかは疑問もある」と述べた。

 原告は会社経営の40代男性=三重県桑名市在日韓国人3世で、2018年に日本国籍を取得。22年4月に元韓国籍を理由に愛岐カントリークラブ(岐阜県可児市)から入会を拒まれ、精神的苦痛を受けたとして330万円の損害賠償をクラブ側に求める訴えを起こした。

 判決は、私人である団体は、憲法21条で結社の自由が保障されており、構成員の加入条件について原則として自由に決められると指摘。団体内の問題に法の介入が許されるのは、個人への権利侵害の程度が「社会的に許容し得る限界を超えるような例外的な場合に限られる」との判断枠組みを示した。

 判決はまず、クラブ側が元外国籍を理由に入会を拒否したと認定。その上でクラブが「閉鎖的かつ私的な団体」とし、ゴルフは「社会生活を営むに当たって必要不可欠とはいえない」と指摘。入会拒否によって男性が被る不利益は「例外的な場合」に当たらないと結論づけ、男性の「入会拒否は法の下の平等を定めた憲法14条に反する」との主張を退けた。

 原告の男性は「今後も『元外国籍』として不利益を受け続けなければならないのか」と判決を批判し、控訴する方針を明らかにした。一方、クラブ側の代理人弁護士は「まずは判決をしっかりと検討する」とした。(松原央)

割れる司法判断 弁護人は「世の中の風潮に合っていない」

 外国籍を理由にゴルフクラブへの入会を拒否したことの是非が争われた訴訟は過去にもあったが、司法の判断は割れている。

 栃木県内のゴルフ場で在日韓国人の男性経営者が入会を拒否された訴訟では、1995年の東京地裁判決が「日本国籍であることを会員の条件にすることには、合理的な理由がない」と指摘。「法の下の平等を定めた憲法の趣旨に反して違法と評価せざるを得ない」との判断を示し、原告の男性が勝訴した。

 一方、在日韓国人の男性が千…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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