和歌山県田辺市で2018年5月、「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家の野崎幸助さん(当時77)が急性覚醒剤中毒で死亡した後、元妻の須藤早貴(さき)容疑者(25)=殺人、覚醒剤取締法違反容疑で逮捕=が野崎さんから引き継いだ金融会社から、自身の口座に約3800万円を移した疑いがあることが関係者の話でわかった。県警は詳細を調べている。
会社の元監査役の男性が昨年6月、詐欺容疑で須藤容疑者を県警に告発した。県警は告発を受理しており、野崎さんの死亡事件との関連も含めて捜査する。
男性によると、野崎さんが死亡してから4カ月後の18年9月、会社の口座から約3800万円が須藤容疑者の口座に移された。
須藤容疑者は同7月に代表取締役に就任。男性は「須藤容疑者は取締役会の決議などを経ずに代表取締役を引き継ぎ、法人登記を変更した。正規の手続きとは言えない」と問題視する。
男性によると、18年2月に野崎さんと須藤容疑者が結婚して以降、会社の事務員が同年5月まで月100万円を須藤容疑者の口座に振り込んでいたという。
須藤容疑者は結婚後も、和歌山にいないことが多かった。野崎さんは男性らに「もう離婚する」と漏らしており、用意している離婚届を見せられたこともあったという。県警は周辺捜査を進めている。
田辺市によると、野崎さんの遺産は預貯金や有価証券などで約13億円。妻だった須藤容疑者には半分の分与を求める権利があるが、今のところ分与には至っていない。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル