元客室乗務員、ユナイテッド航空を提訴 コロナ禍の解雇

 新型コロナウイルスの影響によるリストラは解雇権の乱用だとして、米ユナイテッド航空の元客室乗務員83人が同社に対し、労働者としての地位確認や賃金支払いを求める訴えを東京地裁に起こした。「会社は解雇を回避する努力や、納得を得るための誠実な協議をしていない。解雇は無効だ」と主張している。

 原告の83人は、成田空港を拠点に働いていた日本や英国、シンガポールなどの国籍の客室乗務員。同社がコロナ禍による減収で成田や香港、フランクフルトの3拠点を閉鎖したため、昨年10月に解雇された。

 原告は訴えの中で、経営側の都合による「整理解雇」について①人員削減の必要性②解雇回避努力の相当性③人選の合理性④手続きの相当性――を検討。①は「ワクチン接種が始まることなどから収益悪化は近い将来終了するか改善が可能」と否定し、②③は希望退職の公募も十分でなく、賃金抑制政策が背景にあると考えられるとした。④はオンライン会議で国際便の需要が前年比80%減少との説明を受けたのみで「原告の意見を聞く機会はなかった」という。

 また労働事件は民事訴訟法上、勤務地が日本の場合、日本の裁判所に提起できることも訴えている。

 同社は取材に「コメントを控える」としている。(村上友里)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment