元法務事務次官の辻検事長を尋問へ 検察官の定年延長巡る訴訟で

松浦祥子

 東京高検検事長だった黒川弘務氏=辞職=の定年を半年間延長した2020年1月の閣議決定を巡り、法務省などが関連文書を開示しないのは違法だとして、神戸学院大の上脇博之教授が不開示決定の取り消しなどを求めた訴訟で、大阪地裁(徳地淳裁判長)は16日、当時の法務事務次官だった辻裕教(ひろゆき)・仙台高検検事長の証人尋問を行うことを決めた。現職検事長に対する証人尋問は異例。尋問は9~10月ごろに行われる予定。

 黒川氏を巡っては、検察庁法が定める63歳の定年を目前に控えていたが、政府が20年1月、国家公務員法の規定を適用し、検察官で初となる定年延長を決定。同法の規定は従来、「検察官には適用しない」とされてきたが、政府は「法解釈を変更した」と説明した。

 上脇氏側は、法解釈を変更した経緯や関連文書の作成状況などを明らかにするため、辻氏の証人尋問を地裁に請求。国側は必要性がないと主張していた。

 訴状によると、上脇氏は20年2月と21年9月、関連文書の開示を請求したが、法務省はほとんどの文書を「作成していない」などの理由で不開示とした。上脇氏は「本当に作っていないなら、公文書管理法違反にあたる」などと訴えている。

 原告代理人の阪口徳雄弁護士は16日の口頭弁論後、「解釈変更がどのような目的で、誰によってなされたのか明らかにしたい」と述べた。(松浦祥子)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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