元理事の事務所でスポンサー選定依頼 KADOKAWA会長も把握か

 東京五輪パラリンピックをめぐる汚職事件で、出版大手「KADOKAWA」の元五輪担当室長らが大会組織委員会の元理事・高橋治之容疑者(78)らに大会スポンサーへの選定を2回にわたって依頼した場所が、元理事の会社事務所だったことが、関係者への取材で分かった。

 東京地検特捜部は、KADOKAWA会長の角川歴彦(つぐひこ)容疑者(79)も、こうした状況を把握していたとみて捜査。スポンサー就任後に元理事の知人のコンサルタント会社に送金した資金が元理事への謝礼だと認識していたことを裏づける状況証拠とみて調べている。

 一方、角川会長は逮捕後も「賄賂だとは思っていない」と容疑を否認していることも分かった。

 角川会長は14日、元専務・芳原世幸(としゆき)容疑者(64)と元五輪担当室長・馬庭教二容疑者(63)の共犯として贈賄容疑で新たに逮捕された。発表などによると、3人は高橋元理事、知人でコンサル会社「コモンズ2」代表の深見和政容疑者(73)=いずれも受託収賄容疑で逮捕=にスポンサー選定を依頼し、2019年7月~21年1月にコンサル料名目でコモンズ2に計約7600万円の賄賂を送金した疑いがある。立件額は公訴時効(3年)を踏まえて約6900万円とされた。

 関係者によると、依頼は16年4月と17年1月の2回で、馬庭元室長や芳原元専務が高橋元理事のコンサル会社「コモンズ」の東京・虎ノ門にある事務所を訪問。事務所はマンションの一室で、高橋元理事、深見代表と面会してスポンサーに選んでほしいなどと頼んだという。角川会長は同席していないが、特捜部は会長もこうした状況を把握していたとみており、受託収賄罪の成立に必要な依頼(請託)と認定した。

角川会長は反論

 1回目の依頼があった16年…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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