6年前の秋、広島県のJR福山駅近くの住宅街にある小さな学習塾を、ある男性が訪ねてきた。
東京から来たという。40代で中卒の元暴力団員だといい、塾長の藤岡克義さん(47)に尋ねた。
「1年で慶応大に合格することはできますか」
スキンヘッドに分厚い胸板。よく見ると左手の小指がない。藤岡さんは少し困惑しながら、「どこまで行けるかは努力次第です」と答えた。
「1年での合格確率は0・0003%」とも言った。それでも男性は、「高い目標があればあるほど燃える」と言い、入塾が決まった。二人三脚の受験勉強が始まった。
それから3年足らずで男性は慶応大に合格した。あこがれだった三田キャンパス(東京都港区)で講義を受ける日々だ。昨春からは司法試験の勉強も始めた。
暴力団員だった男性はなぜ慶応大を目指し、どのように合格したのか。今もなお勉強を続け、超難関の国家資格を目指す理由とは。
42歳で受験勉強を始めた元暴力団員の男性。アルファベットや算数のかけ算など、小学校の復習から始めたといいます。記事後半では、男性が慶応大の合格をつかんだ勉強法を紹介しています。
男性は斎藤由則さん(48)…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル