元組織委理事宅・電通を捜索 東京地検、五輪めぐる受託収賄容疑

 東京五輪パラリンピック大会組織委員会の高橋治之元理事(78)が代表を務めるコンサルタント会社が、大会スポンサーだった紳士服大手「AOKIホールディングス」(横浜市)から計約4500万円を受け取った問題で、東京地検特捜部は26日、受託収賄の疑いで高橋元理事の会社兼自宅などを捜索した。関係先として広告大手「電通」の本社(東京都港区)も捜索した。

 関係者によると、高橋元理事が代表の「コモンズ」(東京都世田谷区)は2017年秋にAOKIとコンサル契約を締結。月100万円を基本とし、21年夏の大会閉幕までに計約4500万円を受領したという。

 特捜部は、高橋元理事が理事の職務に関してAOKI側から依頼を受け、コンサル料の名目で賄賂を受け取った疑いがあるとみて、強制捜査に踏み切った。

 高橋元理事は電通の専務や顧問を歴任。スポーツビジネスに長く携わり、幅広い人脈があった。電通を退職後の14年から22年まで組織委理事を務めた。

 電通は14年、組織委からスポンサー選定を取りまとめる専任代理店に指名された。組織委には、公式ライセンス商品の販売などを担当するマーケティング局長をはじめ、電通から多くの社員も出向していた。

 AOKIは18年にスポンサーの一つ「オフィシャルサポーター」に選ばれ、五輪エンブレムを使った一般向けスーツなどの公式ライセンス商品を販売した。

 高橋元理事は朝日新聞の取材に、受領した資金は「五輪とは関係ない。働きかけはしていない」と強調した。AOKIの青木拡憲(ひろのり)前会長(83)は特捜部の任意聴取に、電通で培った元理事の人脈に「期待」して資金提供したと説明し、賄賂性は否定したという。

 電通は「捜査に全面的に協力する」とのコメントを出した。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment