東京都練馬区の自宅で長男の熊沢英一郎さん(当時44)を刺殺したとして、殺人罪に問われた元農林水産事務次官熊沢英昭被告(76)の裁判員裁判で、東京地裁(中山大行裁判長)は16日、懲役6年(求刑懲役8年)の実刑判決を言い渡した。
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若狭勝弁護士の目 懲役6年の実刑判決は妥当だと思う。弁護側は執行猶予付きの判決を求めていたが、執行猶予は懲役3年以下でないと付けられないもので、懲役5年以上の殺人罪ではそもそも付けられず、実刑であるべき刑とされる。一方、懲役5年で評価できないくらい情状酌量の余地がある場合、刑を半分にすることができるため、その場合に限り、執行猶予が付く可能性がある。今回の事件で裁判所が「本当に殺されると思い、恐怖で包丁を手に取り、被害者を刺した」との供述が「信用性に乏しい」と判断したことがポイント。執行猶予付きにするまでの余地はなかったと判断したのだろう。
閉廷後、検察官が被告に声を掛けたのは異例だと思う。被告人に情状酌量すべき事情があったこと、また、懲役6年の判決に納得していたのではないか。(元東京地検特捜部副部長)
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