東京都練馬区の自宅で2019年、引きこもり状態だった長男(当時44)を刺殺したとして、殺人罪に問われた元農林水産事務次官・熊沢英昭被告(77)に対する控訴審判決が2日、東京高裁(三浦透裁判長)であった。弁護側は正当防衛の成立などを主張したが、高裁は「危害を受ける差し迫った危険はなかった」と判断し、懲役6年とした一審・東京地裁判決を支持して控訴を棄却した。
控訴審で弁護側は「長男に殺されると直感し、反射的に包丁で刺した」と訴えた。だが、高裁は「長男は一定の間隔を空けて立ち、攻撃する動きは見せていなかった」と指摘。「抵抗を受ける前に一方的に攻撃を加えた」とした地裁の認定に誤りはないとした。(根津弥)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル