聞き手・多田晃子
英国のチャールズ国王の戴冠(たいかん)式に6日、天皇陛下から差し遣わされた秋篠宮ご夫妻が参列した。皇室と英王室は、先の大戦での敵対を乗り越え、両国の友好親善を推し進めた。上皇ご夫妻が天皇、皇后として訪英した1998年、駐英大使として現地で随行した林貞行さん(85)は「皇室の国際親善を目の当たりにした」と語る。
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日本に謝罪を求める声
英国では98年、天皇、皇后両陛下(現在の上皇ご夫妻)の訪英前から、元戦争捕虜の団体が日本に謝罪や補償を求める声が高まっていました。
前任者の頃から日本の民間団体などとも協力し、和解に向けた努力を重ねましたが、彼らの心の傷は簡単に癒えるものではなかった。
両陛下の訪問は、謝罪や補償を求める最後の機会として、抗議をしないわけにはいかなかったのでしょう。天皇陛下を困らせないよう、日本政府が対応すると思ったのでしょうね。
両陛下の訪英前、関係者を通じて、バッキンガム宮殿へと続くパレードに、英国各地から元戦争捕虜を乗せたバスが十数台やってくると知りました。
パレード当日の朝、両陛下と渡辺允侍従長(当時)との朝食の席で、「デモはしませんが、背を向けた抗議活動はするようです」と伝えると、陛下はただ黙ってうなずいていました。
馬車に背を向け、静かな抗議
パレードでは、一列になって…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル