本当は絵を学びたかったのに、滑り止めで受けた東海大の海洋学部へ進んだ杉原慶樹さん(45)。
大学教授だった上野信平さんに出会ったことで、人生は大きく変わった。
沖縄県西表島での1年間の住み込み研究、勧められて行ったミクロネシア連邦での養殖指導。
◇
上野教授と出会ったのは、今から20年以上前。
まだ携帯電話も普及していないころのことだ。
研究室にパソコンはあったが、上野教授は電源の入れ方もわかっていなかった。
ただ、学生たちの適性を見抜く能力はすばらしかった。
誰が何を出来るか、何と言えばどう動くかを把握していた。
的確な指示を出して、自らは触ることなくパソコンを活用していた。
そんな中、自分が頼まれたことは意外な内容だった。
「コーヒーを入れてくれ」
やる気も能力もイマイチだと…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル