免田栄さんが拘置所で流した冷や汗 取材に語った教訓は

 死刑囚として初めて再審無罪となった免田栄さんが5日、95歳で亡くなった。7年前に取材に訪れた記者には、消えることのない拘置所生活の記憶や冤罪(えんざい)防止、死刑廃止への思いを語っていた。

免田事件
1948年、熊本県人吉市の祈禱(きとう)師一家4人が殺害された強盗殺人事件。捜査段階で「自白」した免田栄さんは公判で否認したが、52年、最高裁で死刑が確定した。同年から再審請求し、第6次の請求で福岡高裁が再審開始を決定。83年、熊本地裁八代支部は自白の信用性を否定し、無罪が確定した。死刑確定判決後再審で無罪となったのは国内初だった。無罪確定後は国内外で講演し、死刑制度廃止を訴えた。

 「人のすることだから間違いはある」。免田栄さんの口癖だった。自身は間違った捜査や裁判をもとに、死刑を執行されるかもしれなかった。「もうこういうことがないように」と冤罪(えんざい)防止や死刑廃止を国内外で訴えた。

 23歳で逮捕され、57歳までの34年間、獄中生活を送った。死刑囚でなければ仕事に励み、家族に囲まれて生活したかもしれない時期を死と隣り合わせで過ごした。

 拘置所の張り詰めた空気のなか…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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