独自
阿部朋美、高浜行人、三島あずさ
学校の先生が、10年ごとに30時間以上の講習を自費で受ける教員免許更新制度。なり手不足や多忙化が問題となるなか、当事者たちはどう受け止めているのか。
「ただただ、アリバイ的に授業をやっているという印象。有意義な時間にならなくて残念だった」
北海道の30代の高校教諭は、数年前に免許を更新した。近くに講習会場はなく、3泊4日で遠くの大学での講習に臨んだ。費用は約5万円かかった。
講習には小中高の教員が参加し、大学の講師がオンラインで講義する様子をひたすら見た。実践的な指導方法が学べるかと期待していたが、自然や文化など講師の専門分野の授業が繰り広げられただけ。自身が担当する数学に関する講義も、授業法にまつわる内容もない。職場に持ち帰って実践できる「収穫」はなかった。
学校では不祥事があるたびに校内研修が行われ、残業がさらに増える。睡眠時間が削られると、仕事上のミスも増加。そんな悪循環に陥っていると感じる。そこに更新講習が加わると、さらに時間を取られてしまう。「教員として新たな学びがあれば、時間やお金がかかっても文句はない。実態は、実のない講習を聞かされるだけなのが残念」
各地の教師から疑問が次々「意義がない」「手間に対して利点が…」
文科省によると、更新講習は主に大学が開設し、受講生の評価はおおむね高いという。元教員の30代男性はプログラミングや教育哲学について学んだ。「楽しくて勉強になった。教員が研鑽(けんさん)するのはいいと思う」
ただ、内容や形式は講師によ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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