児童虐待の防止強化 国が示す体罰のガイドラインが逆効果…(TOKYO MX)

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。12月12日(木)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、元衆議院議員の金子恵美さんが“改正児童虐待防止法”について見解を述べました。

◆国が体罰に関するガイドライン案を策定

児童虐待防止強化のため2020年春に施行される改正児童福祉法に「体罰禁止」が明記されたことを受け、厚生労働省は12月3日、どんな行為が体罰にあたるかについてのガイドライン案を示しました。年度内に内容を固め、周知を図ります。

厚労省は体罰に関し、「身体に何らかの苦痛、または不快感を引き起こす行為」と定義し、具体例も挙げています。これは、これまで体罰があったとしても教育方針やしつけと言われると介入できなかった児童相談所などが法の根拠を持って踏み込めること、さらには体罰の加減を認識喚起し、相談窓口に繋げていくのが狙いだそう。とはいえ、これが報道されて以降の世間の反応を見ると「正しく伝わっていない、丁寧に伝えられていない印象がある」と言います。

そもそも子どもにはそれぞれ特性があり、親子関係も家庭ごとに違うだけに、「画一的なルールを作るのは難しい」と金子さん。また、現在は世界56ヵ国で体罰を禁止する法律があるそうですが、どこも施行直後は抵抗があり、「時間とともに社会が理解を深めていくという流れ」と言います。しかし、日本ではこのガイドラインが「むしろ混乱の元になっていると感じる」とか。

というのも、本来この指針は一部の深刻な虐待をしている人・親に向けてのはずが、「その他大勢の真面目に、日々苦しみながら子育てをしている人たちが“こうあらねばならない”と自信を失ってしまったり、行き詰まったりしているのを危惧している」と案じます。

◆指針ではなくメソッド、親への教育が必要

専門家も「体罰なしで子育てはできる」と理想論は言うものの、金子さんは「その具体的な方策がない」と指摘。そして、「私も子育てをしていると手を上げたくなる気持ちがわかる」と素直な思いを吐露します。

金子さんは過去にこうしたことをメディアで話し、批判を受けたこともあったそうですが、「感情の赴くままにやったら暴力だけど、そこには愛情があり、私なりになんとかしたいという必死な思いでやっている」と主張。そして、「どうしたら子どもが言うことを聞くのかを含め、子育てのメソッドのようなものを示すこと」、「母親たちに勉強する機会を与えるなど国のフォローが必要」と訴えます。

慶応大学特任准教授でプロデューサーの若新雄純さんは、過去に父親からビンタされたことが何度もあるそう。そこで一番の問題は「僕がビンタされたことではなく、それを僕が体罰を受けたと思っていないこと」と言います。なぜなら、体罰という意識がないと自分に子どもができたときに同じことをやってしまうから。

金子さんは子育てに関する事前教育として必要なのは、「子どもって発達段階によって違うのでその接し方とか、親が親であることに喜びを感じられるような教育、豊かな親心を育てる親学の機会」と示唆。さらには、最近増えつつある“ネウボラ”についても言及します。

これは、妊娠から育児まで母親のさまざまな悩みを相談できるフィンランドの支援施設・制度ですが、「ここに行く人は多分虐待なんかしない」と推測しつつも、これを必須にすることが重要と言います。例えば、児童手当の給付条件として必ずそこに行くようにするなど、「そこまで政策として考える……そうしないと子育てをする親が苦しむだけ」と話していました。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

Japonologie:
Leave a Comment