入学しない大学に二十数万円もの入学金を払わなくて済むよう、各大学の納付期限を遅くしてほしい――。大学受験で生じる重い負担に疑問を抱き、現状を変えようと動き始めた学生がいる。社会の経済格差が広がり、高額の入学金を負担できる家庭ばかりではなくなっている。長年続く慣習は、変わらないのか。(桑原紀彦)
入学金24万円 ふだん仲の良い両親が
「私立に行かせることは考えていないから」
東日本の私立大に今春入学した女子学生(18)は、大学受験を前に親からそう告げられたという。父は公務員、母はパート。国立大に通う3歳上の兄が一人暮らしをしており、仕送りが必要なため家計に余裕はない。
地元の公立大が第1志望だったが、今年2月初旬に受けた私立女子大に、まず合格した。この大学の入学金納付期限は、第1志望校の合格発表前。入学の権利を確保しておくには入学金24万円を払う必要があった。
親は入学金を振り込んでくれ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル