政府は8日、新型コロナウイルスの水際対策として、1月から原則停止していた海外のビジネス関係者や技能実習生らの新規入国を認め、入国制限を大幅に緩和した。受け入れ企業の管理や、ワクチン接種などを条件に入国後の待機期間が短縮される。成田空港にこの日、到着した旅客からは緩和を歓迎する声の一方で、緩和条件の不便さへの不満の声も聞かれた。
米サンフランシスコ在住で、日本に6週間滞在予定のコンサルタントの日本人女性は「今回の緩和で日本からのビジネス客が増えてほしい」と期待する。一方、「私はフリーランスで日本に受け入れ企業がなく、緩和の恩恵は受けられない」と話す。ワシントンDC在住の弁護士の日本人男性(54)は「ワクチン接種も終え、待機期間は3日間になると期待したが、受け入れ企業はないので、待機期間は短くならない。海外を拠点にするビジネスマンには不便なので改善してほしい」と話した。
米国のワシントンDCから帰国し、2週間滞在予定というIT会社役員の日本人男性(45)は、受け入れ先の企業の管理下で、待機期間を10日間から3日間に短縮する申請をし、都内のホテルで待機する。男性は「日本のビジネスマンが海外出張し、帰国後復帰しやすくなっただけ。海外滞在のビジネスマンには使いづらいと不評。企業の管理下にいれば感染拡大を防げるとしている根拠もよくわからない」と話した。
経団連は8日に発表した政府のコロナ対策への提言で、ワクチンを2回接種した人は入国時の隔離を免除するよう求めた。十倉雅和会長は同日の会見で、ビジネス関係者らの隔離期間を3日に短縮する政府の決定について「まずは一歩として評価したい」と述べた上で、経団連の求める「待機日数ゼロ」に向け、「(政府は)状況を見据えて段階的に、現実的に対応してくれると思う。そう遠くない将来に、ご判断いただけるのでは」と更なる制限緩和への期待感を示した。(上沢博之、伊藤弘毅)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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