町発注の公共工事の入札結果を公表していなかった福岡県大任(おおとう)町の永原譲二町長は14日、町役場で記者会見を開き、4月1日から約1年8カ月ぶりに公表を再開すると発表した。町内の暴力団組員らが逮捕されたことから「環境整備ができた」として公表を決めたという。
町は2021年7月中旬ごろから、「犯罪予防のため」との理由で入札結果を非公表としてきた。ただし、公表は法律で義務付けられており、国土交通省からは昨年6月以降、「入札契約適正化法に違反しており、改善の必要がある」として是正を求められていた。
永原町長によると、21年7月に、町内の16業者から入札結果を公表しないよう町に要望書が提出された。暴力団関係者とみられる人物が、落札業者にそうめんを高額で売りつける事例などがあったためという。
町は国交省の助言を受けて昨年8月に県警に相談。今月7日、会社経営の男性を脅すなどしたとして、指定暴力団太州(たいしゅう)会系の組長ら暴力団員3人が暴力行為等処罰法違反容疑で県警に逮捕された。永原町長によると、要望書を出した業者の1人が被害者だったという。
永原町長は「逮捕で、公表再開の環境ができた」と説明。「法律に抵触しても町民の生命と財産を守るために非公表とした判断は間違っていなかったと思う」と話した。4月1日から従来通り、役場敷地内の掲示板に貼り出す形で公表する。
今後、16業者にも公表再開…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル