強制退去手続き中の外国人の収容や送還のルールを見直す出入国管理法などの改正案について、与党は来週、原案のまま衆院法務委員会で採決する方針を固めた。スリランカ国籍の女性が収容中に亡くなった問題で衆院法務委員会での審議が行き詰まるなか、立憲民主党の修正要求を受けた与党側が14日に譲歩するかたちで協議が進んだとみられたが、最終的に決裂した。
不法滞在などの外国人は、強制退去処分とするかを決める審判から送還されるまで原則として施設に収容される。退去処分が出ても送還に応じない人は近年3千~4千人ほどで高止まりし、収容の長期化が問題になっていた。
改正案はこうした状況の解消を目指すとし、難民認定手続き中の送還停止規定の適用を新たな相当の理由がなければ2回までに制限▽送還妨害行為などに対する退去命令と違反への罰則の新設▽出入国在留管理当局が選定する「監理人」の監督のもと施設外での生活を可能にする「監理措置」の導入――などの内容を盛り込み、2月に提出された。
これに対し、野党は「国際的な人権水準に達していない」として、収容判断への司法の関与や難民認定制度の改善が必要と指摘。13日には立憲民主党が具体的に10項目の修正を求めた。難民認定手続き中の送還停止を制限する規定や退去命令違反に対する罰則の削除、監理措置の基準の明確化などを挙げた。14日は修正協議が断続的に行われ、調整が進んだとみられたが、この日の採決を求めた与党の提案を野党が拒否した。
改正案をめぐっては、3月に…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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