東京学芸大学(東京都小金井市)は22日、2017年10月に行った同大学院教育学研究科の入学者選抜試験に関し、受験予定者1人に試験情報を漏らしたとして、同研究科の元准教授の40代男性を懲戒解雇したと発表した。元准教授は大学の調査に協力しないよう学生らに求めていたといい、漏洩(ろうえい)を否定しているという。
同大によると、元准教授は英語の試験問題の作成担当者だった。試験の実施前、受験予定の学生が研究室を訪問した際、ある英語の専門書について「これを勉強しておくとよい」と伝えたという。試験では実際にこの専門書を和訳する問題が出された。
不正の情報を得た文部科学省が19年12月に大学に通報し、調査が始まった。元准教授は学生らに、調査に協力しないよう求めたという。同大は「極めて悪質な行為」と認定し、21日に懲戒解雇した。また管理責任として、現学長は3カ月分の給与の10%、同研究科担当理事は1カ月分の給与の10%をそれぞれ自主返納した。(伊藤和行)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル