全勝同士の首位決戦となった第45期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦の井山裕太棋聖(30)対一力遼八段(22)戦が19日、大阪・梅田の日本棋院関西総本部で打たれ、井山が196手で白番中押し勝ちした。これでシリーズ4勝0敗とし、単独首位に浮上。敗れた一力は許家元(きょ・かげん)八段(22)とともに3勝1敗の2位に後退した。三者とも残るは4局。挑戦者争いのゆくえは7月までに決着する。
ともに優勝候補同士の大一番は序盤から未知の難戦となったが、井山が各所でポイントを上げて押し切った。午後9時57分に終局。その後、一力と対局を振り返る「感想戦」に入り、同11時5分終了。すべて終えて記者の取材に応じ、「徐々にいい感触になっている。そろそろ結果(タイトル奪取)につなげたい」と話した。
井山は七冠独占を決めた2017年の名人戦七番勝負のあと、タイトル防衛戦に明け暮れてきたが、現在三冠まで後退。しかし最近は復調傾向にあり、反転攻勢の舞台に名人戦を選んだ。3年ぶりの名人返り咲きに向けて、視界は良好だ。
リーグ戦はこの日、東京・市ケ谷の日本棋院本院でもう一局打たれ、張栩九段(40)が河野臨九段(39)に232手で白番中押し勝ち。張は2勝2敗と星を五分に戻し、河野は1勝3敗と苦しくなった。(大出公二)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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