安倍晋三首相は27日、新型コロナウイルスの感染拡大防止を理由に全国全ての小中高校と特別支援学校について、3月2日から春休みに入るまで臨時休校するよう要請した。異例の対応は妥当なのか。感染症や疫学に詳しい医師3人に聞いた。
「感染拡大抑える効果、期待」
東京慈恵会医科大の浦島充佳教授(予防医学)は、「新型コロナウイルスの感染はインフルエンザのように学校を通じて子どもたちに広がる可能性がある。子どもが重症化しやすいというデータはないが、家庭にウイルスを持ち込み重症化しやすい高齢者に感染させるリスクがある」と指摘する。
スペイン風邪(1918~19年)の流行時、米国では学校閉鎖と集会やイベントの中止を徹底した地域では、何もしなかった地域と比べて死者数が少なかったという報告があるといい「新型コロナウイルス感染症でも、休校はイベントの中止と組み合わせることで感染拡大を抑える効果が期待できる」と話す。
「全国一律、科学的根拠乏しい」
一方、政府の専門家会議のメンバーで小児科医の岡部信彦・川崎市健康安全研究所長は、新型コロナウイルスではこれまでのところ子どもの感染者がとても少なく重症者がいないことがわかっているとし、「専門家会議でも休校は諮問されず、提言もしていない」と話す。
2009年に新型インフルエンザが流行した時は、子どもの患者が多いことが予測された。高校生の患者が国内で最初に見つかった神戸市では小中高校を一斉に休校にしたことで感染を抑え流行を遅らせる効果があったという。一方、新型コロナウイルスでは感染が相次ぐ地域とそうでない地域の差が大きいことも指摘。「全国一律の休校が効果的であるとするには科学的根拠は乏しい」と話す。
また、新型コロナウイルスの致…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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