全国唯一の「刑務所内中学」に初の女性入学者 5人が学び直し

 全国で唯一、刑務所の中にある公立中学校として知られる長野県松本市の市立旭町中学校桐分校で今年度、初めて女性受刑者の入学が認められることになった。法務省が5日発表した。全国の刑務所から、義務教育の学びを希望した16人のうち、20~60代の5人が選ばれた。1年間かけて学習する。

 分校は、1955年に松本少年刑務所に設けられた。当時の収容者のうち8割が義務教育を修了していなかったことを背景に、市の協力を得て全国の刑務所から学習意欲のある受刑者を選び、毎年5人ほどが入学してきた。中学3年に編入し、1年間、中学教員らが学習指導にあたっている。これまでに776人が卒業した。

 ただ、分校の入学者は男性に限ってきた。刑事収容施設法は戸籍上の性別ごとの収容を原則とし、松本少年刑務所は男性専用のためだ。だが、法務省は男性受刑者との接触を避ける運用ができれば女性が分校で学ぶことも可能と判断した。

 法務省によると、22年に新たに受刑者になった人の約57%が高校を卒業しておらず、出所後の進路の選択肢を広げる上では学習機会の確保が課題の一つとなっている。(久保田一道)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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