全国大会はわずか6.4%… 専門家が語る「早生まれ」の悪循環

 1~3月生まれの「早生まれ」の子はスポーツに不利――。そんな言葉をよく聞きます。同じ学年の中で実際にどういった差があり、いつまで続くのでしょうか。野球を中心に、早生まれとスポーツの関係性について研究する東京農業大の勝亦陽一教授(スポーツ科学)に聞きました。

――早生まれと野球の関係について調べているそうですね。

 野球選手には、生まれ月が大きく影響することがわかっています。1984~2015年のプロ野球球団に在籍した選手(2238人)の生まれ月を分析したところ、次のような結果でした。

 4~6月生まれ34・1%

 7~9月生まれ29・9%

 10~12月生まれ20・5%

 1~3月生まれ15・5%

――年度初めに生まれた人と早生まれの人で、身体能力に差があるとは考えられません。野球を始める小学校段階ですでにこうした傾向があるのでしょうか。

 14~15年に野球をしている小学生844人をの生まれ月を分析したところ、次のような結果でした。

 4~6月生まれ26・9%

 7~9月生まれ25・1%

 10~12月生まれ25・5%

 1~3月生まれ22・5%

 しかし、同じ年の全国大会に出場した選手に限ると、割合はがらっと変わります。

全国大会

4~6月生まれ45・2%

7~9月生まれ29・9%

10~12月生まれ18・5%

1~3月生まれ6・4%

 同じ学年内で相対的に体の大きい4~6月生まれの子どもに活躍のチャンスが偏っているのが分かります。こうした現状は、子どもたちの夢にまで影響します。13~15年に野球をやっている中学生を対象に、「プロ野球選手になりたい」かどうかを調査しました。その結果、4~6月生まれは全体の58%が「プロ野球選手になりたい」と回答したのに対し、1~3月生まれは全体の41%と少ない傾向でした。

早生まれは損?

【意見募集中】「早生まれ」の子どもたちは、同じ学年の中で、数カ月から1年近く年長となる「遅生まれ」の子どもたちと、勉強やスポーツで競い、比べられることになります。早生まれは、損なのでしょうか。みなさんの経験や考えをお聞かせください。

 こうした状態を野放しにして…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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