7月1日にデビューする東海道新幹線の新型車両「N700S」が13日、東京から新大阪まで試験走行し、その車内の様子が報道関係者に公開された。N700Sの「S」は英語の「Supreme(最高の)」から取ったという。どう「最高」なのか、試乗した記者が報告する。
午前10時、東京駅の19番ホームにN700Sが入線した。JR東海の広報担当者の案内で車内に乗り込むと、予定通りの午前10時12分に発車した。
N700Sの公開はもともと、4月に浜松工場で予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で中止になっていた。
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走り出すと、JR東海の新幹線鉄道事業本部車両課長の福島隆文さんが新型車両について説明を始めた。N700Sの設計の責任者だ。
「N700Sは、今までにない上質な乗り心地と快適な空間を実現した最高の新幹線です」。福島さんはそう言って胸を張った。
N700Sは東海道新幹線では13年ぶりのフルモデルチェンジ車両。グリーン車、普通車とも、座席の背もたれと座面が連動する仕組みになっている。座ってみると、特にグリーン車は深く沈み込むような感触がはっきり感じられ、心地よかった。出張で疲れたビジネス客にとって、眠り心地も良さそうだ。
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揺れは現在のN700Aとあまり変わらず、快適に思えた。実際には「フルアクティブ制振制御装置」という新たな装置を取り入れたことで、グリーン車や普通車の一部では体に感じる横揺れがこれまでより低減されているという。
全席に電源コンセントを配備し、停車駅などを表示する液晶ディスプレーも大型で見やすくなった。細かいところでは、窓側の座席でカーテンを閉めた状態でも窓際にペットボトルを置けるように改良された。こうした点にもこだわりを感じる。
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11号車に移ると、車いすが2台置けるスペースがあった。デッキには大きな荷物を置けるコーナーもあったが、使用できるのは2023年度からになるという。多機能トイレは広く、車いすも十分に入れそうだ。多目的室は大きな車いすに乗る人が使ったり、授乳や体調が悪くなった人が横になるといった目的で使ったりできる。喫煙ルームも設けており、JR東海によると、車内との完全分煙化を図っているという。
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列車は途中で名古屋駅に停車し、定刻の午後0時39分には新大阪駅に着いた。
東海道新幹線は、新型コロナの感染拡大の影響で利用が大きく落ち込んでいる。新大阪駅で取材に応じた新幹線鉄道事業本部の上野雅之副本部長は「N700Sの導入が、落ち込んでいる旅客の(回復の)起爆剤になれば」と語った。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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