第69回全日本吹奏楽コンクール(全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)の中学校、高校の部が23、24日に名古屋国際会議場(名古屋市熱田区)である。コロナ禍で2年ぶりの開催で、初のライブ配信(https://www.asahi.com/brasschorus2021/wbandcompetition.html)も行われる。県内から出場する4校を紹介する。(大嶋辰男)
全国大会出場は34回目。そのうち金賞受賞は23回。吹奏楽の歴史を切り開いてきた。部活のモットーは「悔いのない一日を」。全力を出し、最後の最後まで粘り強く取り組む。
コンクールメンバーのリーダー、大出夏穂さん(3年)によると、東関東大会では小さなミスもあった。「全国大会では全員が納得できる演奏をしたい」と話す。前大会は銀賞だった。今大会は金賞を目指す。
タクトをふるう顧問の織戸弘和教諭はコロナで困難な状況もあったが「なんとか間に合った。みんな上手になった」と笑う。当日は部員たちと最高の演奏を作りたいと話す。
自由曲に楽劇「サロメ」の「七つのヴェールの踊り」を演奏する。
市立柏高校
全国大会常連の強豪校。9回連続、31回目の出場となる。
「人生で大切なのは後悔しないこと」と総監督の石田修一さんはいう。後悔しないために、やれるだけのことはやろう、と部員たちに声をかける。
環境の変化に対応してきた。コロナ感染対策として部活中の「無言」を徹底。時間が減った分は、オンライン学習システムを導入して効率的に練習してきた。 2年ぶりの大会。部長の宮脇史穏さん(3年)は先輩たちが代々残した部活の記録を読んで対策を練る。副部長の天野陽奈さん(3年)は演奏を通じて「部活を支えてくれた人たちに感謝の気持ちを伝えたい」と話した。自由曲で交響詩「ヌーナ」を演奏する。
東関東大会に4大会連続で出場中。全国大会出場は9年ぶり6回目となる。
コロナ禍の下、練習はパートに別れて集中し、短時間で切り上げてきた。「1日、1回の練習を大切にしようという気持ちが強くなった」と部長の須田菜々花さん(3年)。
今春、全国大会が中止となりショックを受けた3年生を見送った。「卒業した先輩たちや応援してくれる方々に恩返しがしたい」。同校としては3回目となる金賞受賞を目指す。
顧問の中山岳教諭は卒業した部員たちの写真を忍ばせ、大会を勝ち上がってきた。「持ち前の力を発揮してくれたら」。自由曲はバレエ音楽「眠りの森の美女」を演奏する。
柏市立酒井根中
全国大会は7回連続16回目の出場。金賞受賞は前大会を含め13回だ。東関東大会は無観客で開催、全国大会は観客を入れて実施する。部長の原花音さん(3年)は「初めてお客さんの前で演奏するので楽しみ。コロナのもやもやをはらす感動的な演奏をしたい」。
顧問の板垣優麻教諭は日頃から、規範意識を高める、礼儀正しくする、楽器や仲間を大切にするなど、部員たちに「周囲から慕われる人間になろう」と指導している。
大会の成績が良くても、「これらのことができずに得た結果は価値が下がってしまう。だからこそ。日々意識することが大切」と話しているという。自由曲では「彩雲の螺旋~吹奏楽のための」を演奏する。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル