おでかけ関西 ちょっとウラ話
鋭い眼光。分厚い拳のたこ。
「フシュー」
独特の呼吸法から突き、蹴りを繰り出す。72歳とは思えない素早い動き。毎日2時間のウォーキングを欠かさず、足腰を鍛えている。
「体を維持しておかんと、危険なのがちょこちょこ来るからね。『道場破り』とかな」
沖縄料理屋「ぴないさーら」を訪ねると、店主の喜屋武(きゃん)邦夫さん(72)が道着姿で迎えてくれた。
1階が食堂、3階が空手道場になっている。喜屋武さんは厨房(ちゅうぼう)を出て道場に立つと、身長160センチながら大きく見える。剛柔流8段、琉球空手の達人だ。
腕自慢が他流試合を挑んでくる「道場破り」。猛者たちと、何度も対峙(たいじ)してきたという。
例えば、10年前――。
稽古に励んでいると突然、若い男が乗り込んできた。
男は上着を脱ぐと、全身に入れ墨があった。ただ者ではない身のこなし。格闘技を相当やり込んでいるように見えた。
鋭い正拳突きを繰り出してきた。
喜屋武さんは、その瞬間を見…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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