八王子に生まれた11坪の酒蔵 「八」に込めた地元っ子の夢と挑戦

 料亭の一角を改装した小さな酒蔵が東京・八王子に誕生した。わずか11坪あまりだが、都内で10カ所目となる日本酒醸造所だ。八王子発の酒造りは、地元っ子の10年がかりの夢だった。

料亭を改装 都内10カ所目の日本酒醸造所

 JR八王子駅から徒歩5分ほど。「都市型ブルワリー」と銘打って4月から醸造を始めた「東京八王子酒造」は、戦後すぐまで多摩地域唯一の花街として栄えた地区にある。黒い板塀に囲まれた石畳の路地で、柳がそよぐ風情ある一帯だ。

 コンパクトながら設備を取りそろえ、少量生産かつ年間醸造を掲げる。蔵は室温が5~8度に保てる設計で、常にフレッシュな酒の提供を目指す。杜氏(とうじ)の磯崎邦宏さん(44)は「酒造りは手がかかるが、子育てみたいな感覚です」。年間で最大6万リットルの醸造が可能という。

 かつて、八王子市内には10を超す酒蔵があり、日本酒造りが盛んな土地柄だった。でも――。

酒蔵一つに何ができるのか 長野での気づき

 代表を務める西仲鎌司(けん…

この記事は有料記事です。残り828文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment