東京都小金井市の西岡真一郎市長は30日、市立保育園2園を廃園とする改正条例を市議会の議決を経ずに専決処分で決めたことについて、市議会で急きょ開かれた全員協議会で理由を説明した。市議からは憤りや法的根拠をただす声が相次ぎ、撤回を求める場面もあった。西岡市長は、来春の入園案内が始まる10月前に決める必要があったとし、「撤回しない」と改めて廃園実施を明言した。
「議会において議決すべき事件を議決しないとき」
西岡市長は冒頭発言で、地方自治法にあるこの規定があてはまる理由を説明していった。廃園予定の園は築60年が迫り、来春から対応を始めないとリスクが高まること。保育園運営には財源の課題があること。待機児童が減って市内民間園に空きが生じ、今後は人口減も見込まれること。
今議会で、9月中の議決が必要だと繰り返し求めたにもかかわらず、条例案が付託された厚生文教委員会で採決されずに継続審査となったため、「苦渋の決断を行った」とした。
これに対し、市議たちからは「暴挙」「二元代表制の否定だ」「全国の地方議会にあしき先例を残した」と強く憤る声が続いた。
特に問題視されたのが、同委員会が専門家の意見を聴くため参考人招致を決めたのを、先延ばしと市長側がとらえたことだった。
「民主的な議論の妨害。子育て支援の公共施設廃止にかかわる重大事を、議決を経ずに決めるとは」(渡辺大三市議)
この日の全員協議会は継続となり、10月3日に再開となった。
廃園をめぐる紛糾の背景には…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル