原子力規制委員会は13日、日本原燃六ケ所再処理工場(青森県)の安全対策の基本方針が新規制基準に適合すると認める審査書案を公表し、定例会で審議を始めた。了承すれば、原発の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出して再利用する「核燃料サイクル政策」の中核施設が本格稼働に近づくことになる。
原燃は2021年度前半の完成をめざすが、完成時期はトラブルなどで24回延期。建設費は当初の4倍の約2・9兆円に膨らんでいる。新基準への適合が認められても、残る詳細設計の審査や工事に時間がかかり、工場の必要性も薄れているため、先行きは不透明だ。本格稼働には青森県や六ケ所村の同意も必要だ。
再処理工場は、使用済み核燃料を硝酸で溶かし、プルトニウムとウランを回収する化学工場のような施設。高レベルの放射性廃液も出し、原発とは異なる特有の危険性がある。原燃は、地震の揺れの想定を引き上げるなど自然災害への備えを強化し、高レベル廃液が沸騰して放射性物質が放出される重大事故などの対策をとった。規制委は約6年で113回の会合と5回の現地調査を実施し、対策が妥当か審査してきた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル