六本木の道ばたポスターが問うジェンダーや多様性 日本初開催の展示

 寛容や多様性をテーマにしたポスターを、40を超える国・地域で150回以上展示してきた「トレランス・ポスター展」が東京・六本木で23日から開かれている。日本での開催は初めて。各国のアーティストらが手がけた色とりどりのポスターが、道行く人に問いを投げかける。

 ポスターの条件は、各国の作家が、それぞれの言語で、英語で寛容を意味する「トレランス」という言葉を入れることのみ。今回はアートイベント「六本木アートナイト」のプログラムの一環として、六本木通り沿いのアートボードに展示されている。

 並ぶのはハイヒールをはくごつごつした足などを描いた、示唆に富む11点。手がけたのはロシアにウクライナ、中国、ジンバブエ……と多様な国・地域の作家だ。日本から対馬肇さんの作品もある。

女性=アシスタントだと思われて…

 展示のキュレーターを務めたのは、ディレクターのAya Kombooこと上田絢子さん(44)と、慶応大大学院教授でデザイナーのマッシュ・ウォルドマンさん(58)だ。

 2019年に米国から帰国した上田さんは「日本のジェンダー不平等は海外のメディアでも取り上げられている。日本では、女性の立ち位置が海外と全く違う」と感じている。実際に日本でポスター展の説明を2人でする際、男性のウォルドマンさんが代表、女性の上田さんがアシスタントと思われることもあった。「ひどいでしょう。女性だからアシスタントだと思い込むことが、日本ではある。涙が出るくらい怒っているんです」とウォルドマンさん。

 上田さんは「女性だけがジェ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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