阿部浩明
六花亭(北海道帯広市)のチョコを食べて、小児がんや白血病と闘うイラクの子どもたちを支援しませんか――。寄付へのお礼にチョコレートを贈る「チョコ募金」が今季も始まった。主催するNPO法人「JIM―NET(ジムネット)」(東京)は「活動のきっかけとなったイラク戦争から20年。いまだ困難な環境にある子らに思いをはせてほしい」と話す。
チョコ募金は2006年から続く冬季限定の募金キャンペーン。今年で18回目となる。益金はイラクの子どもらの難病治療や、シリア難民キャンプへの医薬品支援、イラク北部アルビルに開設した小児がん総合支援施設「JIM―NETハウス」の運営などに充てられる。福島の子どもたちを放射能から守るための検診にも役立てる。
チョコ缶のふたには、現地の子ども4人が描いた鳥や花の愛くるしい絵があしらわれている。
ピンクのポピーを描いたのは、5歳で急性リンパ性白血病と診断されたエリーンさん(9)。母国シリアでは危険な国内情勢で十分な医療が受けられず、アルビルへ引っ越して、投薬治療ののち姉から骨髄移植を受けた。元気を取り戻し、昨夏にはジムネットの院内学級を卒業した。夢は医者になることで、「患者さんを治してあげたい」。
ジムネット代表で医師の鎌田實さんはホームページで、「1%でいいから、だれかのために力を尽くすことができれば、世界はもっと生きやすくなるのではないでしょうか。1%には大きな可能性がある」と協力を呼びかける。
チョコは、六花亭が活動の趣旨に賛同し、約14万缶分を原価で提供した。1缶10枚入りで、ホワイト、モカ、ミルクの3種類。4缶1セットで2200円(送料別)。購入や問い合わせはジムネット事務局(03・6908・8473)へ。(阿部浩明)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル