コロナ禍を経て、赤字ローカル鉄道のあり方が全国で議論になっている。
10月には経営が厳しい鉄道路線について、存続やバスへの転換などを議論する「再構築協議会」を国が設置できる法改正が施行される。
そんな中、お酒と鉄道をセットで楽しむ「呑(の)み鉄」で知られる俳優の六角精児さん(61)が参加してローカル線を考える異色のシンポジウムが開かれると聞いた。
地域の鉄道の未来を考えるヒントを得たいと、会場の広島県庄原市を訪ねた。
中国山地の真ん中にある庄原市は島根、鳥取、岡山県境に接し、面積は香川県の3分の2と西日本最大を誇る。ただ、人口は約3万2千人で、四国の中山間地と同様に、減少が著しい。
9月23日に地元スーパー2階で開かれたシンポ「芸備線・木次線 魅力を活(い)かす方法を考える」は、同市を走るJR西日本の赤字ローカル線、芸備線(広島―備中神代)、木次線(宍道―備後落合)の存続を利用者の視点で考えることがテーマだ。
いずれも輸送密度(1キロあたりの1日平均利用者数)が2千人未満で、JRが「大量輸送という観点で鉄道の特性が十分に発揮できていない」として沿線自治体に議論を呼びかけている。
二つ返事で登壇快諾
六角さんはNHKの紀行番組「呑み鉄本線・日本旅」に出演するなど鉄道好きとして知られる。
舞台やドラマ撮影と多忙だが、主催の市民グループ「芸備線魅力創造プロジェクト」の登壇依頼に二つ返事で快諾し、スケジュールの合間を縫って駆けつけたという。
「これは全国的な問題です…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル