英語民間試験の活用延期が決まった2020年度開始の大学入学共通テストをめぐり、国語と数学の記述式問題も激しい批判にさらされている。大学入試センター試験のような選択式と異なり、採点の難しさが指摘されているためだ。野党だけでなく、高校生ら当事者にも中止を求める声が高まっている。
8日の参院予算委員会。立憲民主党の福山哲郎氏は高校生の言葉を紹介する形で、二つの懸念を示した。
一つ目は採点の精度。「学生バイトを信頼して任せられるわけがありません。短期間でミスなく採点を行うのは不可能です」。数十万人規模の試験で、学生アルバイトによる採点も想定されているからだ。
二つ目は、2次試験の出願先を選ぶ際の目安になる自己採点で、実際の点数との差が出る恐れがあることだ。「5段階評価の一つのランクの違いで加点が大きく異なる場合があります」。国語は5段階で評価される仕組みでぶれも大きい。自己採点に自信が持てず、第1志望をあきらめる受験生も出かねない。
福山氏は記述式について「不安を与えるだけ。ぜひ中止を」と迫ったが、萩生田光一文部科学相は「採点がしやすい制度を作り上げていく」と予定通り導入する方針を改めて示した。
不安はぬぐえず、その後に質問した自民党の山田修路氏も「色んな問題があるというのも事実」と指摘。萩生田氏も「課題があることは十分承知している」と応じざるを得なかった。
当事者も動き出している。東京…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル