大学入学共通テストの全日程が終了しました。今後の入試に向けた心構えについて、東京、京都、大阪で勉強のやり方を教える塾「プラスティー」を運営する教育アドバイザーの清水章弘さん(35)に聞きました。
――手応えがなかった受験生は今後どうすべきでしょうか。
受験勉強で傷ついたら、その傷は受験勉強で癒やしてほしい。お守りや声かけではなく、勉強で乗り越えるしかないと考えます。
――具体的にはどうするべきでしょうか。
かつてトライした問題を解き直してください。これまでの2、3カ月で積み上げてきたものがあるので、頑張ってきたことや分かるようになったことを実感することができるはずです。まず、伸びている自分を認めてあげてください。
それは国公立大の2次試験の対策にもなります。共通テストの勉強でやった問題集を、この1、2日間やるのは有効です。
――逆に手応えがあった受験生はどうすればよいですか。
油断をしないことです。学校や塾、予備校の先生、自分より点数が高い友達にかつを入れてもらったほうがいい。また、これから国公立大2次試験までは、国公立大と私大の入試対策にともに力を入れる「両立期」と、国公立大入試対策のみに力を注ぐ「集中期」の二つの時期があります。だから油断している場合ではないんですよね。
結果がよかった受験生は、まず行きたい私大の一番難しい過去問を1年分解いて、目を覚ますということですね。よい点数が取れた受験生は、共通テストの形式にうまくはまっただけの可能性もあります。
――生活面において心がけていくことがあれば教えてください。
寝る時間、起きる時間、勉強を始める時間、この三つを固定すると勉強リズムを作りやすいです。
感情で気持ちを奮い立たせるのが難しければ、自分の意思とは別にルーチンを淡々とやっていくのがよい。
例えば、夜眠りにくいようであれば、寝る1時間半前くらいに入浴することをルーチンにしてください。湯船につかって体を温めると、体温が下がっていくにしたがって、眠気がおとずれてくると思います。
――結果がよくないからといって、睡眠時間を削って追い込みをかける受験生もいるかもしれません。
追い込みは体力次第というところもあり、一概には言いにくいですが、例えば睡眠時間を7時間半から6時間半に削るのは、人によってはセーフでも、5時間半、4時間半にすると多くの人は体調を崩しやすいと思います。
例えば、入試が始まる3日前くらいからは睡眠時間をちゃんと取ったほうがよいでしょう。試験は受けるだけでも疲れるのに、これからの1カ月は、試験を受けて、また勉強して過ごします。相当のエネルギーが必要です。意識的に睡眠を取るようにしてください。
――受験生にどんな言葉をかけたいですか。
学力は当日まで伸びますし、入試を受けながらも伸びています。本番で初めて問題が解けるかもしれません。
だから諦めないでほしい。
「入試の朝まで学力は伸びる」と言われますが、試験中も学力は伸び続ける、と考えます。ラスト1秒まで諦めないでください。(小川崇)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル