大学入学共通テストが13日、始まった。昨年は「難化」が指摘された世界史Bは、今年はどうだったのか。河合塾の井上徳子(のりこ)講師(世界史)に分析してもらった。
――今年の難易度をどうみていますか。
昨年は会話文が多く、話者それぞれの立場を理解しながらじっくり読まなければならない部分も多くて時間がとられた受験生が多くいました。今年はこの会話文が10から4に減ったことで、負担が大きく減りました。
会話文が減った分、資料が増えたことでページ数自体は変わりませんでした。それでも、資料のどこを読めばいいのかの誘導がはっきりしている問題が多く、その意味では比較的解きやすかったと思います。
「点数取りやすいが文章量は依然多い」
――簡単になったということでしょうか。
昨年に比べれば点数は取りやすかったと思います。ただ、(2020年以前の)センター試験の頃に比べると、読まなければならない文章量は依然として多いといえます。昨年よりは「まし」でも、やっぱり解くのが大変だったと感じた受験生もいるでしょうし、実際にそうなので焦る必要はありません。
――特徴的な問題は。
朝鮮戦争の休戦交渉に先立って、スターリンが毛沢東にあてて発した電報を読んで答える穴埋め問題では、史実についての知識をもとに送り主の立場に立って考えることが求められました。
資料を正確に読み取るだけでなく、ある立場に立って考える力が必要になる、過去にない種類の問題でした。これまでは知識を問う問題よりも、読み取り問題の方が点差がつかない傾向がありましたが、今回はどうなるか注視しています。
初の「連動型」問題
――問題形式でこれまでと異なっていた点は。
連動型問題が初めて出題されました。
ある問題で複数の正解がある選択肢を用意し、その中から一つを選ばせたうえで、次の問題では前の問題で選んだ解答と合致する選択肢を選ばせる、というものです。これまで出てきたことのない形式なので、過去問しかやったことがない受験生は戸惑ったと思います。ただ、模試では出題されているので、模試や予想問題などに幅広く取り組んでいれば特に問題はなかったでしょう。
――共通テストを終えた受験…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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