大学入学共通テスト(新テスト)で予定していた国語と数学の記述式問題の導入を見送る方針が17日、発表され、入試での利用を予定していた大学は方針変更を余儀なくされた。大学関係者からは「受験生に対して申し訳ない」との声が上がった。
大阪府立大の高橋哲也副学長(教育・入試担当)は「テストまであと1年のこのタイミングでの変更は、通常あってはならない。受験生に申し訳なく、大学としてもじくじたる思いだ」と話す。
同大ではすでに、新テストの記述式利用について「国語の得点比率はマークシート式80%、記述式20%」などと発表。今後、大学入試センターからの正式通知を待って、記述式が行われない場合の対応を公表する予定だ。
中止が濃厚になった先週から対応を検討し始めているといい、高橋副学長は「すでに公表している各学域の教科・科目で新テストを使用すること自体は変更しない方向」とする。
思考力や表現力を問う記述式問題について、萩生田(はぎうだ)光一文部科学相は17日、各大学に対し、2次試験などで積極的に活用するよう促す方針を示したが、同大ではこれまでも2次試験にあたる個別学力試験で記述式を導入しており、大きな変更は行わないという。
また、大阪大学入試課の梅野健一課長(50)は「記述式の重要性は大学としても認識しており、2次試験でしっかりと取り組んでいく。選抜内容に大きな影響はない」と強調した。
同大では2年ほど前から新テストへの対応について検討を重ね、国語の記述式問題の成績を得点換算して加算する予定だった。梅野課長は「学部ごとに加点についての考え方が違う中、大学としてどう取りまとめるか、ようやく固まったところだった」と振り返り、「受験生のことを考えれば、コロコロと変わる制度設計は控えてほしい」と注文をつけた。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース