天野剛志
兵庫県明石市の泉房穂市長が経済支援策として市内で使える利用券(5千円相当)を議会の決定なしに市民全員に配ると決めたことについて、正副議長を含む市議10人は19日、「議会軽視」だとする意見書を泉市長に提出した。29人の市議のうち25人が賛同したといい、発送の経費などを問題視している。
利用券は、明石市が30日から使えることをめざして、経費約17億円を盛り込んだ補正予算案を11日開会の臨時市議会に提案した。だが市議会は12日、発行や配布にかかる約1億5千万円の関連費用などを審査するとして継続審査を決定。これに対して泉市長が「待ったなしの案件」と、地方自治法の「専決処分」を根拠に、議会の決定がなくても配布すると表明した。
意見書では「今回の専決処分は法の要件に該当しない違法な処分と言われても過言ではない」と指摘。榎本和夫議長は「議案に反対しているわけでない。市がわれわれの問題提起にきちんと答えていないので継続して議論したいだけだ」と訴えた。
意見書を受け取った泉市長は「法にのっとり違法でない。費用の削減など意見を踏まえて対応をしたい」と述べて、予定通り配る姿勢を改めて示した。(天野剛志)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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