兵庫県丹波篠山市の国史跡・篠山城跡の南堀で、ハスが約15年ぶりに開花した。外来生物のミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)の食害で消滅以来、市が取り組んできたハス復活事業にようやく光明が見えてきた。
開花したのは、昨年移植した園芸品種のハス。つぼみ6~7個も確認され、今後はハスが自然に広がる可能性があるという。
南堀(約1万3千平方メートル)はかつて一面にハスが咲き競い、市民や観光客を楽しませる名所だった。市によると、平成16年まではハスの開花が確認されたが、17年ごろには消滅。25年に地元の市立篠山小学校の児童からハスの復活を求める声が上がったことで、市は原因調査と復活に向けた取り組みを始めた。
その結果、ミドリガメの食害が主な原因とわかり、ミドリガメの防除や鉄製の食害防護柵(4メートル四方)を設置。篠山小の児童と一緒に種レンコンを3回移植したが、開花はなかった。
今年4月にはこれまで移植してきた園芸品種ではなく、かつて南堀で自生していた品種である通称「篠山紅蓮(こうれん)」の種レンコンを防護柵内に移植した。
一方、自作の防護柵(1メートル四方)も増やし、土壌改良や日照確保のために周辺の木や草を取り除いた。ミドリガメはこれまでに約90%防除したという。
開花の場所は自作の防護柵外で、ミドリガメの食害を受けなかった証明になる。ハス復活に取り組む市農都環境課の菅原将太主事は「今年移植した篠山紅蓮も順調に生育しているので、今月末から8月にかけて開花が予想されます」と話している。
南堀の本来の“ハス復活”はもうすぐだ。
【関連記事】
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
Leave a Comment