内ポケットから束の写真を取り出した陛下、予定にないお声掛けも

 石川県内を訪問中の天皇、皇后両陛下は16日、障害者が手がけた作品などを鑑賞し、交流した。

 金沢市の石川県立音楽堂では、適応障害になって会社を退職し、療養中に立ち寄った土産店で九谷焼と出会った高林真穂さん(26)が手がけた陶磁器を鑑賞し、天皇陛下は「九谷焼とのいい出会いがあったんですね」。適応障害で長期療養中の皇后さまは「大変な時期があったんですね」「大変な中でも新しい世界に飛び込んだんですね」という趣旨の話をしたという。

 両陛下は、特別支援学校の生徒によるミニ和傘づくりのワークショップも鑑賞。鑑賞後、陛下は「すばらしい作品ですね。どうもありがとう」、皇后さまは「楽しませて頂きました」「展示されるのが楽しみですね」などと話していた。

 県立図書館では、県内の高校生らによる文学朗読劇の練習を鑑賞。皇后さまは、参加した生徒に「とても感情を上手に表現されて」と感心した様子で話し、陛下は「よく伝わってきました」とねぎらっていた。

 さらに皇后さまが「伝えるためにどんなことを頑張りましたか」と尋ねると高校生は「聞いている人に届けるために、声をのばして頑張りました」と答えたという。陛下は「朗読と朗読劇はどう違いますか」などと尋ねていた。

 同館を離れる際には、集まった住民らに近寄り、予定にないお声がけをする場面も。陛下は、着物関係の仕事をしている男性らに「写真を持ってきたんです」と切り出し、自身が高校生の時に石川県で加賀友禅の絵付けを見たことを説明。上着の内ポケットから束になった写真を取りだし、1枚の絵付けの写真を見せながら「素晴らしいです。これ、絵付けをやっている所。見せて頂いた所です。よかったなあと思って」と話した。(多田晃子)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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