デッサンのような極細の線で描かれたハト。実はこれ、切り絵だ。生きているような躍動感を、一枚の紙から切り出していく。
「ハトの人」
大阪市で活動する切り絵作家、下村優介さん(34)は、そう呼ばれている。
中学、高校、大学とラグビーに熱中し、アートとは無縁の世界にいた。卒業後は会社員になるつもりだった。
しかし、世界経済を襲ったリーマン・ショックの影響で、2010年の就職活動で、内定はゼロ。
落ち込みながら、行きつけのラーメン屋に行くと、店主が気にかけてくれた。
「何かやりたいことはないの?」
そう聞かれて、思い出した。昔から絵を描くことが好きだったことを。
イラストレーターをやってみようかな。そのラーメン屋でアルバイトをしながら、1年ほど挑戦した。
でも芽は出ない。
また店主が助言をくれた。「切り絵とかどう?」
12年、独学で始めてみた…
※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル