チャットで家族や学校に知られず相談できる
「Cure Time(キュアタイム)」は、内閣府初となる性暴力の相談SNSだ。対象は女子中高大学生ら10~20代の女性から、トランスジェンダーなど「心が女性」(サイトより)の人も含まれる。
12月10日(火)から24日(火)までの期間限定で、チャット機能を使った相談ができる。被害内容に応じて産婦人科の診察の案内や緊急避妊薬の説明、また居住地域に近い相談窓口(各都道府県にある性被害の相談窓口「ワンストップ支援センター」や、デートDVなどに対応する「配偶者暴力相談支援センター」など)の紹介などを行う。
相談を受けるのは女性スタッフだ。性被害や虐待に苦しむ少女たちの支援を行い、LINEでの相談も受け付けているNPO法人「BONDプロジェクト」のメンバーをはじめ、各地域のワンストップ支援センターの職員、普段から性暴力被害者支援に携わっている医師、看護師、弁護士など。Cure Timeは「秘密厳守」。相談内容が学校の教員や家族に知られることはないので、安心だ。
自己尊重感奪い「被害」だと認識できない
Cure Timeのサイトには、
・イヤだったのに、身体をさわられた
・薬やお酒を飲まされて、何をされたか覚えていない
・エッチのときにコンドームを付けてくれない
・親にいやらしいことをされてる
などの事例が紹介され、「あなたは悪くない」「あなたが望まない性的な行為もすべて暴力です」と大きな文字で書かれている。
内閣府が2017年から2018年にかけて行った調査によると、少女らは性暴力などの影響により自己尊重感が低下し、被害を「被害」として認識したり、「相談してもよいこと」 と思うことが難しくなっている。その結果、支援機関につながることなく、長期間に渡り繰り返し性暴力被害にあったり、トラウマに起因する心身の不調を抱えたまま年齢を重ねてしまう傾向があることが分かっている(「若年層における性的な暴力に係る相談・支援 の在り方に関する調査研究事業」報告書より)。
Cure Time立ち上げの背景には、こうした被害の実情、そして相談支援における課題がある。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース