菅政権は1年前、「2050年までに温室効果ガスの排出実質ゼロ」と宣言し、再生可能エネルギー導入拡大へ大きくかじを切った。岸田新首相も「宣言は共有する」と表明している。二酸化炭素排出ゼロをめざす「ゼロカーボンシティ」を宣言した自治体は9月末までに464に上るが、先進自治体でもなお課題は多い。
大手電力と価格競争 安くなければ訴訟のリスク
「みんなでつくる低炭素循環型の住宅都市」
奈良県の生駒市役所に、高さ5・5メートルの塔が立つ。19年11月に市としては全国で4番目にゼロカーボンシティ宣言をするなど、低炭素政策に力を入れている。軸となるのが地域新電力「いこま市民パワー」(ICP)。市が51%出資し、17年に設立した。
市は、市の公共施設への電力供給を随意契約で決めたが、市議会で問題となった。近隣の市の電力供給を関西電力が次々と安値で落札したためだ。落札率は大和郡山市で49%、橿原市で77%だった。
「入札すれば年間4千万円安く契約できた可能性がある」と、住民監査請求や行政訴訟を起こされた。いずれも訴えは棄却されたが、安くしないと訴えられるというリスクは各地の地域新電力に波紋を広げる。
価格競争になれば、小さな新…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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