再三の自粛要請もK―1強行開催、埼玉県知事「残念」(スポーツ報知)

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、国や埼玉県が開催自粛を求めていた格闘技イベント「K―1 WORLD GP 2020 JAPAN~K’FESTA.3~」が22日、さいたまスーパーアリーナ(さいたま市)で予定通り行われた。この日午前11時に開場し、午後9時まで約6500人が来場した。政府の方針に従い、多くのイベントが通常通りの開催を見合わせる中、主催者側は万全の感染対策を行ったとしているが、波紋を呼びそうだ。

 試合とは別にもう一つのバトルが繰り広げられた。会場のさいたまスーパーアリーナを保有する県は、複数回にわたって主催者側に自粛を求め、開催前日の21日には西村康稔経済再生相が埼玉県の大野元裕知事に対し、改めて自粛を促すよう要請していた。

 主催者側の答えはノーだった。前座も含めて25試合を決行したK―1の中村拓己プロデューサー(38)は、試合前に取材に応じ「万全の対策ができるのであれば大会をやるということでずっと進めてきた。いろいろなご意見があるとは思いますが、できる限り最大限の予防策を講じて開催しました」と説明。感染者が出た場合には「関係各位と相談して迅速に対応する」とした。

 具体的には、感染者が出た場合に追跡調査を可能にするため来場者に氏名や住所など連絡先の記入を求めた。会場入り口にはサーモグラフィーを設置して体温を測定し、マスクも未着用者に配布。会場内では客席数を減らし、数か所に消毒液を設置し、空間除菌や室内の換気も定期的に行った。

 開催自粛を求めていた大野知事はこの日、会場前で取材に応じ「要請に強制力はなく、あくまでお願いだったが、聞き入れていただけなかったのは残念」と話した。

 同会場は県が保有し、第3セクターが運営する。東京五輪ではバスケットボール会場として使用され、最大3万7000人を収容する。施設をレンタルする際の契約条項には不測の事態が起きた場合、県の命令によって「利用許可の取り消しができる」と定めているが、今回のような自粛要請では強制力があると解釈できないという。大会終了後には、会場のアルコール消毒を行うとしている。

 同所では3月以降、シンガー・ソングライターの米津玄師ら人気アーティストやバンドの全国ツアーが相次いで中止に。家具の展示会を開いた際には開催について抗議もあったという。今回のK―1は3月では唯一の大規模興行となった。

 政府の専門家会議では、クラスター(感染者集団)が発生する条件について換気の悪い密閉空間、多くの人が密集する、近距離での会話や発声が行われた―などを挙げている。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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