久保田一道
離婚後300日以内に生まれた子の父を「前夫」とする規定を見直し、再婚後に生まれた子の父を「現夫」とする改正民法が4月1日に施行される。離婚した前夫の子になるのを避けたい母が出生届を出さず、子が無戸籍となる問題を解消する狙い。同日以降に生まれた子に適用される。
現行の規定では、離婚後300日以内に生まれた子は実際には別の男性の子であっても、法律上の父を前夫と推定する。前夫以外を父とする出生届は原則、受理されない。父を早く確定させることが子の利益につながるとの考え方に基づく。
法務省が把握する無戸籍者は、3月10日時点で771人。うち7割にあたる568人は、この規定を理由に出生届を出していないという。無戸籍の場合、選挙権を行使できず、運転免許証やパスポートが取れないといった制約がある。
改正民法は、母が再婚した後に生まれた子については、再婚後の現夫の子とする例外規定を設けた。ただ、離婚後300日以内に生まれた子の父を前夫とする原則は維持されるため、母が再婚しなければ、この例外規定は適用されない。
また、法律上の父と子の関係を解消する手続きも見直す。これまで、父だけに認められていた家庭裁判所への申し立ての権利を母や子にも拡大する。出生を知った時から1年以内に限られていた申し立ての期間も3年間に延長する。
施行日以前に生まれた子については、施行から1年間に限り、母か子から家裁に対し、元夫の子ではないと申し立てることができるようにした。
女性だけに限り、離婚後100日間、再婚を禁止していた規定も廃止する。4月1日以降の婚姻に適用される。(久保田一道)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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