日本弁護士連合会は16日、大阪市内で定期総会を開き、再審制度の速やかな法整備を国に求める決議を採択した。再審を巡る規定は刑事訴訟法に19の条文しかなく、不十分さが指摘されて久しい。決議では「冤罪(えんざい)被害者の迅速な救済を目的とする制度。法改正の実現に向けて全力を挙げて取り組む決意だ」とした。
具体的には、証拠開示手続きの制度化や、再審開始決定に対する検察の不服申し立てを禁止することなどを強調した。
証拠開示については、過去に再審開始となった事件で、裁判所に提出されなかった証拠が判断の決め手となった事例が多いことを念頭に「捜査機関による隠蔽(いんぺい)が疑われる事件もある。証拠開示がいかに重要かを示している」と訴えた。
検察による不服申し立ては、「検察は再審公判で主張の機会が保障されており、認めなくても不都合はない」と主張。今年3月に再審開始が決まった袴田巌さん(87)も、2014年の静岡地裁の開始決定に検察が即時抗告した経緯がある。「再審請求審が長期化し、冤罪被害者の救済が遅れる極めて深刻な状況だ」としている。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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