大阪府の休業要請解除や政府の緊急事態宣言解除などを受けて、屋外での展示がメインの植物園などは、大阪府内でも次々に再開した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くの施設は1カ月以上の休園となったが、スタッフによる手入れは来園者がいない間も続けられ、植物は順調に生育。折からの新緑に映える初夏の花の数々が、自粛疲れの人々を癒やしている。
16日から営業を再開した豊中市の服部緑地都市緑化植物園(高校生以上220円、火曜休園)。ひょろりと長い茎の先端に紫の小花が球状に咲きそろう「アリウム・ギガンテウム」が見頃を迎えた。球の大きさはソフトボールくらい。紫の発色が美しい“おしゃれな花”ではあるが、実は、いわゆる「ネギ坊主」の一種。中央アジアに分布するネギやニンニクの仲間だ。
名称にラテン語でニンニクなどを意味する「アリウム」とついている通り、この植物にもニンニク臭がある。同園の場合は言われなければわからない程度だが、花に近づいた少女が慌てたように顔をそむけた場面に出くわし、「苦手な人は遠目からの観賞がよさそう」と思ってしまった。見頃は6月初旬まで。
なんばパークスの営業再開に合わせて19日に開園した大阪市浪速区のパークスガーデン(入場無料)。おすすめは、2~9階のあちこちに植えられているオーストラリア原産の「グレビレア」(ヤマモガシ科)。ワイヤアートのような曲線美が魅力のユニークな花で、白、赤、オレンジなど約20品種がある。6月中旬まできれいに咲き続けるとのこと。スタッフは「さわやかな風を感じながら“花散歩”を楽しんで」と来園を呼びかけている。
施設自体が巨大な温室という「屋内施設」であることから休業が長引いた同市鶴見区の咲くやこの花館(高校生以上500円、月曜休園)は、ようやく27日から再始動した。目玉は、数十年の生涯で最期に一度だけ花を咲かせる「アガヴェ・サルミアナ・フェロクス」。メキシコの大型多肉植物で、成長に数十年もかかり開花後は枯死してしまうという。
だが、高さ約6メートルにも達する巨大な“盆栽”のような花茎の姿からは、そんなはかないイメージは想像できない。同館は「6月中旬には輝くような黄色の花が観賞できそう」と予測。ツイッターやインスタグラムで「成長日記」を発信している。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース