湯川うらら
うちわ生産で全国一のシェアを誇る香川県丸亀市。夏の風物詩「丸亀うちわ」として全国的に有名だが、ある工房は冬を目前にしても生産に追われている。人気オンラインゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」とのコラボうちわが好評で、職人たちはうれしい悲鳴を上げている。
市内の「うちわ工房竹」では18日、職人たちが竹を削ったり、木づちで形を整えたりして、一本一本丁寧にうちわを作っていた。うちわの和紙には、丸亀藩京極家が家宝とした日本刀「ニッカリ青江」がモチーフのキャラクターが描かれている。
市観光協会が、10月に市立資料館でニッカリ青江を約2年ぶりに特別展示するのに合わせ、コラボ商品を企画。展示期間中は、多くのファンが工房にも訪れた。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、工房はかき入れ時の8、9月に臨時休業。職人歴約20年の女性(77)は「この時期にこんなに忙しいのは初めて。コロナ禍で今夏は売れなかった分、ありがたい」。工房代表の星川弘さん(85)は「全国から若い人たちが来てくれて、丸亀うちわを知ってもらうきっかけになった」と喜ぶ。
今後、通販サイト(https://marugamekankou.stores.jp)でも販売を始める予定だ。1本2千円(税込み)。問い合わせは、市観光協会(0877・85・5852)へ。(湯川うらら)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル