東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出が24日始まった。野党はおおむね安全性への懸念はないとする一方、漁業者ら地元の理解が得られていないとして、政府にさらなる説明を求めた。与党からも説明不足を懸念する声があがっており、9月にも国会で閉会中審査が開かれる見通しだ。
「地元の声を無視しての放出に、国民が不安や疑念を持っている。国会で説明するのは当然だ」
立憲民主党の泉健太代表はこの日、訪問先の兵庫県尼崎市で記者団にこう語り、政府の説明不足や風評被害への対応を批判した。一方、立憲は「国際的な安全基準に合致」と評価した国際原子力機関(IAEA)の報告書で「一定の安全性は担保された」(泉氏)としており、放出はやむなしとの立場だ。
党若手議員は「有権者に『反対ばかりではなく現実路線だ』と示す狙いだろう」と指摘する。ただ、党内には放出自体に反対する声も根強く残り、一枚岩でないのが現状だ。「また足並みが乱れていると見られてしまう」と懸念する声もあがる。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル