奄美通信員・神田和明
奄美大島沖で出産前後のザトウクジラの撮影に成功=マリンスポーツ奄美、興克樹さん提供
鹿児島県の奄美大島沖で、出産前後のザトウクジラの撮影に成功したと、研究者や観光関係者らでつくる奄美クジラ・イルカ協会(興克樹会長)が発表した。ザトウクジラは出産や子育てのため、冬から春先にかけて沖縄や奄美群島周辺などに回遊するとされる。出産前後の観察記録は珍しく、生態を裏付ける貴重な資料になりそうだ。
協会によると、16日午前、同県奄美市笠利町沖で、子クジラのものと思われる尾びれを生殖溝から出しているメスのクジラを発見し、撮影した。同日午後、近くで母子のクジラが確認され、母クジラの尾びれの形状から同じ個体と分かった。
母クジラは体長12メートルほど。生殖溝からは少量の出血や、へその緒の一部とみられるひも状のものが確認され、最初の発見から再度確認するまでの間に出産したとみられる。
子クジラは体長約3・5メートルで細長く、尾びれや背びれは柔らかそうだった。生まれた直後に見られる体表のしわもあり、母クジラに寄り添うように泳ぎ回っていた。
興会長によると、沿岸域でクジラが日中に出産するのが確認されるのは国内初ではないかといい、「クジラが安心して子育てできる環境をこれからも守っていきたい」と話した。(奄美通信員・神田和明)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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