新型コロナウイルスの感染拡大のあおりで客足が遠のいた飲食店が、苦境を切り抜けようと、ネットで運転資金を募るクラウドファンディングを利用するケースが増えている。出資のお礼に宅配の料理や食事券を提供する店もあり、外出自粛が呼びかけられる中、店に行かなくても応援できる仕組みとして広がっている。(川田惇史)
大阪府泉佐野市の「割烹(かっぽう) 松屋」のいけすに、甲羅が30センチほどもあるワタリガニが並ぶ。創業55年のワタリガニ料理専門店で、地元の漁港から直送された希少な大ぶりのカニを、塩焼き、酒蒸し、お造りなどフルコースで提供している。
普段は、京阪神を中心に常連客でにぎわうが、新型コロナの影響で客は激減。店主の濱田憲司さん(58)は「2月は企業の宴会予約がすべてキャンセルになり、売り上げは前年の半分に。3月はさらに悪い」と顔を曇らせた。
鮮度が命のワタリガニは生きた状態でないと料理できない。常時100匹ほどをいけすで管理するが1週間ほどしか生きられず、キャンセルされれば仕入れたカニは廃棄するしかない。
蒸しガニにして常連客に通信販…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル